「日本人は働きすぎ」
一度は耳にしたことのある言葉だろう。
日本人は働きすぎとする言葉は、半分正解で半分間違いだ。
半分正解という理由は、日本の特徴として「長時間労働」があるからだ。
ブラック企業がなぜブラック企業と呼ばれるのか。
それは、異常なまでの残業時間と、残業時間に対して賃金が支払われないことに起因する。
ブラック企業では、月100時間の残業なんてまだ可愛い方。
当然に賃金なんて支払われない。
朝8時に出社して帰りは終電間際、あるいは終電も終わりタクシーで帰るなんてことが当たり前に横行している。
一方で、残業をしない企業がどのくらいあるのか、正確な数字は分からない。
求人票で「残業約20時間」と書いてあっても、実際には月40時間残業しているなんて会社はごまんとある。
「求人票に書いてあることと違う」
そう思っていても、既に雇われている身としては会社に文句を言いにくい状況になっている。
会社も「求人票に書いているのはあくまでも一例」という姿勢を崩さず、残業が多いことを正当化している。
一方で、半分間違いとする理由は、日本の労働時間は世界で上位にランクされるほど多いとは言えないからだ。
日本では、正社員よりも、契約社員や派遣社員、そしてアルバイトやパートなど非正規社員の数が多く、労働時間に制約のある働き方が浸透している。
労働時間や権限に制限がある分、自由な働き方を選べる環境になっている。
自由に働ける分、労働時間を自分で調整できるから、非正規社員全体として見れば労働時間は長くなりにくい。
「日本人は働きすぎ」
ブラック企業を中心にした、異常なまでの残業時間の多さが大きな理由の1つになっている。
平成・令和と続いたこの悪習を正さない限り、企業に優秀な人材が留まることは難しいだろう。
優秀な人材ほど自分で起業し、自分の理想とする働き方を実現するために力を尽くすことになる。
日本の企業は、もう最優先の就職先ではなくなっているのだ。
