無資格・未経験の転職は足元を見られる

ネット上で求人情報を検索すると、無資格・未経験歓迎と記載されているものも多く、求人数も多いため、別な職種や業界に転職することは難しくないだろうと考えていた。
だが、実際に無資格・未経験の状態での転職は想像以上に苦しいものというのが実践してみての感想だ。
次の転職活動で同じように苦しまないように、自戒を込めてこれまでの経験を書いていこうと思う。
無資格・未経験の転職は足元を見られる
一度だけ介護の仕事からIT系の仕事へと転職しようとしたことがある。
PCスキルはどの企業でも活用できるだろうし、パソコン1台で稼げるスキルが身につけば仮に会社都合で退職したとしても個人で生活費を賄えるようになるだろうと考えてのことだ。
また、IT系はリモートワークが認められている企業も少なくなく、出社しなくても仕事ができるという点にも魅力を感じていた。
だが、介護業界でしか働いたことのない私は、IT業界で活用できる資格も経験も持ち合わせておらず、いわゆる無資格・未経験状態で転職活動をすることになる。
求人の中には職種未経験・業界未経験OKと記載されているものもあったが、いざ応募してみるとなかなか書類選考を通過できない。
ネット上には無資格・未経験で転職するなら30歳までという声もあり、このままでは一生介護業界に身を置くことになると焦りも感じた。
運良く書類選考を通過し、面接にたどり着いたこともあったが、そこでもまた無資格・未経験の壁を感じる発言に出会うことになる。
「まずはアルバイトとして勉強しながら働いてみませんか?」
「この経歴で無資格・未経験だとちょっと厳しいね」
面接という名目でこれまでの経歴を否定的に見られたり、求人情報とは違った条件を提示されたりすることがあったのだ。
採用する企業と求職者という上下関係のせいか、足元を見られている感覚になった。
なんで今まで資格を取らずに生きてきたのか、なんで最初から応用の効くスキルが身につく仕事を選ばなかったのか。
書類選考や面接で落とされるたびにそんな思いが募り、結局無資格・未経験での転職を諦めてしまい、しばらく介護業界で働き続けることにシフトしたのだ。

 

いちいち聞くな勝手にやるな

経験どころか知識すらない業種で働く大変さ

働いていると未経験業種に転職したいと思うことがある。
職種未経験・業界未経験OKという求人も多く、未経験でもできるならと思いやすいのも転職したくなる理由の1つだろう。
だが、未経験業種に挑戦するのは大変なことであると身をもって経験したことがある。
今回は介護職員から建築現場の雑工という未経験業種に転職して大変だったことについて書いていこうと思う。
経験どころか知識すらない業種で働く大変さ
約4年間、私は介護職員として老人ホームで高齢者介護に携わった後、建築現場の雑工へと転職した。
これまで介護業界でしか働いたことがない私はもちろん建築業界に関する経験はなく、それどころか何の知識もなかった。
やむを得ない事情での転職だったとはいえ、まさか自分が建築業界に身を置くことになるなど想定していなかったからだ。
会社で仕事内容に関する簡単な説明を受け、必要となる道具を支給された後は特に研修などもないまま現場に配属された。
現場で働くリーダーに「未経験です」と伝えたが、どれだけ知識や経験がなかろうと重労働が伴う現場においては貴重な人手であることに変わりはなく、リーダーに同行してもらいながら初日からみっちりと働かされた。
建築現場ということである程度の肉体労働は覚悟していたが疲労感は想像以上。
日常生活ではまず持つことのない重さの資材を持ち、狭い足場を行ったり来たりしなければならない。
介護の仕事も肉体労働のようなものと考えていたが、それ以上に力を使う場面ばかりで指示通りに動くだけでやっとの状態だ。
だが、何よりも大変さを感じたのは力仕事ではなく、飛び交う専門用語の多さだった。
建築現場でしか聞かない初めて耳にする言葉の数々に知識のない私は、逐一「すみません、どれのことですか?」とリーダーに聞くしかない。
リーダーの人はそのたびに作業の手を止めて丁寧に説明してくれたが、現場の進行を止めてしまっている申し訳なさが募るばかり。
知識だけでもあれば未経験であってももう少しスムーズに動けたのではないかと思うと、職種未経験や業界未経験も大変だが、知識が全くない状態で新たな業界に飛び込む大変さを感じた。

丸投げ上司末路