働いていると未経験業種に転職したいと思うことがある。
職種未経験・業界未経験OKという求人も多く、未経験でもできるならと思いやすいのも転職したくなる理由の1つだろう。
だが、未経験業種に挑戦するのは大変なことであると身をもって経験したことがある。
今回は介護職員から建築現場の雑工という未経験業種に転職して大変だったことについて書いていこうと思う。
経験どころか知識すらない業種で働く大変さ
約4年間、私は介護職員として老人ホームで高齢者介護に携わった後、建築現場の雑工へと転職した。
これまで介護業界でしか働いたことがない私はもちろん建築業界に関する経験はなく、それどころか何の知識もなかった。
やむを得ない事情での転職だったとはいえ、まさか自分が建築業界に身を置くことになるなど想定していなかったからだ。
会社で仕事内容に関する簡単な説明を受け、必要となる道具を支給された後は特に研修などもないまま現場に配属された。
現場で働くリーダーに「未経験です」と伝えたが、どれだけ知識や経験がなかろうと重労働が伴う現場においては貴重な人手であることに変わりはなく、リーダーに同行してもらいながら初日からみっちりと働かされた。
建築現場ということである程度の肉体労働は覚悟していたが疲労感は想像以上。
日常生活ではまず持つことのない重さの資材を持ち、狭い足場を行ったり来たりしなければならない。
介護の仕事も肉体労働のようなものと考えていたが、それ以上に力を使う場面ばかりで指示通りに動くだけでやっとの状態だ。
だが、何よりも大変さを感じたのは力仕事ではなく、飛び交う専門用語の多さだった。
建築現場でしか聞かない初めて耳にする言葉の数々に知識のない私は、逐一「すみません、どれのことですか?」とリーダーに聞くしかない。
リーダーの人はそのたびに作業の手を止めて丁寧に説明してくれたが、現場の進行を止めてしまっている申し訳なさが募るばかり。
知識だけでもあれば未経験であってももう少しスムーズに動けたのではないかと思うと、職種未経験や業界未経験も大変だが、知識が全くない状態で新たな業界に飛び込む大変さを感じた。